Open the door -運命の彼は日本代表?-
「だって、ロクもみなみちゃんに会いたいって言ってたんだもん」
環奈ちゃんが小さなほっぺたを膨らませる。
だけど、ロクが会いたいっていうわけなんてない。
出来るだけ早く事務所に戻らないといけないことは分かってるんだけど……。
「環奈!!いい加減にしなさい」
菜那さんの鶴の一声に、しょんぼりして今にも泣き出しそうな環奈ちゃん。
「……じゃあ、ちょっとだけ。私もロクちゃんに会いたいって思ってたところ」
肩を落としていた環奈ちゃんの顔に笑顔の花が咲く。
あぁ、私、毎回この笑顔にノックダウンされている気がする。
「じゃあ、ロク連れてくるね」
環奈ちゃんはパタパタと足音を響かせて、家の中に入っていった。