殺戮合宿〜モンスター〜
☆☆☆

翌日の天気は晴れ渡っていた。


「空気が気持ちいい~!」


部屋の窓を開けて、麻由子がそう言った。


あたしも麻由子と同じように窓の外に顔を出してみると、都会の空気よりも澄んでいるのがわかった。


「空気が澄み渡るってこんな感じなんだ……」


大きく息を吸い込むと土や木々の香りに気が付く。


自分は自然の中にいるという感覚が、全身で伝わって来た。


「まぁ、たまにならいいよね」


すでに着替えを終えた祐里が念入りに化粧をしながら言う。


「祐里ってば俊和のことばっかりだね」


麻由子が呆れた声で言った。


「麻由子だって俊和狙いでしょ? 知ってるんだから」


鏡から視線を動かす事なく祐里は答える。


その声には少しとげとげしさを感じた。


「恋愛は自由にしてもいいけど、映画製作はちゃんとしてよ」


あたしは2人へ向けてそう言ったのだった。
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