模擬彼氏
『紗雪?』

「えっ!は、はい!」

妄想から覚めて、一気に現実に戻る。

『じゃあ、俺もシャワー浴びて寝るから。』

「うん。」

『明日の朝も、起こしに行くよ。』

いつの間にか、口元がニヤつく。

「うん……待ってる……」


首元が熱い。

体が火照ってるのが、分かる。


『おやすみ、紗雪。』

「おやすみなさい。」

私は電話を切って、ベッドに横になった。

「ふふふ……」

枕をぎゅっと抱きしめて、火照った体を冷ました。


これが”恋”と言うものですか。

たかが、5分くらいの電話で、こんな甘い雰囲気になるなんて。

寺原を相手に選んでよかった。


私はとろけそうな、現実に酔いしれた。
< 21 / 68 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop