もののけ会社と甘いキス。

「今、全部見ていた。泣かないで……響。
私がそばに居るから。
ずっと、そばに居るから」

「美音……うわぁ~ん」

私は、子供のように声を出して泣いた。

もう自分でも何が何だか分からない。

どうしようもない気持ちとモヤモヤが
私の心を押し潰していく。

頭の中は、後悔でいっぱいだった。

美音は、そんな私をずっと抱き締めてくれた。
ずっと……。

その姿は、やっぱり
男性みたいだった……。

結局、あの後
泣き疲れて眠ってしまった。

眠る私に美音は、離れずにそばに居てくれた。

こんなことなら……社長のこと
好きになるのではなかった。

美音が人間の男性だったら良かったのに。

そうしたら
普通の恋愛が出来たかも知れないのに。

それでも、まだ社長が好きだと思う自分がいた。

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