もののけ会社と甘いキス。

「あの……社長。
昨日は、大変失礼しました」

私は、昨日のことを謝罪した。

あんなことを言ってしまったが
本心ではない。

本当は、諦められないぐらい好きなのに。

すると社長は、ピクッと身体を反応させた。
耳がピクピクと動いている。

「あの時は、母やイトコ達に色々と言われたり
美音のことがあって……気が動転していたんです。
私が周りに迷惑をかけているって思って。
でも、自分の気持ちに嘘は、つけません。
やっぱり諦めきれない……」

「私は、社長のことが好きなんです!」

私は、精一杯の気持ちを社長に告げた。

これ、私の本心。
どんなに周りに言われても……隠しきれない。

背中を向けたままの社長。

やっぱり伝わらないのかなぁ……?

今さら……。

そう思うと胸がズキッと痛んだ。

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