もののけ会社と甘いキス。

すると、その時だった。
社長がこちらをチラッと見た。

「今の……話。本当か?」

あ、反応してくれた!?

社長は、ジロリとこちらを睨み付けながらも
私を見てくれた。

「はい。もちろんです!!
私……社長に本気になってもらいたいです」

必死にアピールをした。
するとこちらを向いてくれた。

「本気にはならん。だが、お前は
俺の女だ。謝るなら許してやらんこともない」 

ムスッとした表情で言ってくる。
しかし9本の尻尾は、大きくブンブンと振っていた。

喜んでいる……分かりやすいぐらいに。

言葉と裏腹の態度に
思わず笑いが込み上げてきた。

「おい、何で笑っているんだよ!?」

「す、すみません。
あまりにも可愛い……許して下さったのが嬉しくて」

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