もののけ会社と甘いキス。

「私達……妖怪からしたら千年生きることも
年をとらないのも当たり前のことだけど
人間からしたら、ありえないことでしょ?
だからある程度……年齢に合わせた後は、
亡くなったふりをして、もう一度人生をやり直すの。
年齢も若くして、知らない土地で」

「九門寺カンパニーは、たくさん子会社があるから
その辺は、助かってるわよね。
そして……人間など新しいパートナーを見つけて
結ばれて子孫を増やしていくのよ。
私達……妖怪同士は、
恋愛出来ても子を宿すことは出来ないから」

驚く真実を聞かされた。

確かに一緒に生きていて
年をとらないのは、不思議がるだろう。

いや、むしろ不気味だろう。

いや、それよりも気なるのは、妖怪同士だと
恋愛出来ても子を宿せないことだ!!

何で……?

宿せない理由でもあるのだろうか?

「まぁ私は、1人の人で十分なんですけど。
私の亡くなった夫も人間で
今は、曾孫の成長を遠くから
見守っているのよ。
それに社長の母親も人間だったから
なおさら人間に想いが強いのかも知れないわね」

社長の母親が人間!?

「えっ?どうして妖怪同士だと
子供を宿せないのですか!?
社長の母親が人間って……本当なのですか ?」

私は、驚いて質問ばかりした。

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