もののけ会社と甘いキス。

「あなたが襲われたり、身体に異変が起きそうに
なった時に弾き返せるようにしてあるの。
その時に月ノ宮の血縁者は、気づくように
細工してあるわ。本当に大丈夫なの?
何なら一人暮らしをやめて家に戻って来てもいいのよ?」

「だ、大丈夫よ!
その力のお陰で助かったようなものだし。
これから、もっと気を付けるわ。
聞きたかったのは、それだけ。
明日も早いから切るわね。おやすみ」

私は、慌てて電話を切った。

危ない……もう少しで
自宅に連れ戻されるところだったわ。

せっかく、憧れの一人暮らしを始めたばかりなのに
連れ戻されるなんて嫌よ!!

妖怪なんか、なるべく近寄らなければいいだけ。

あ~でも、どうしよう。

私は、社長を好きになってしまった。

彼は、妖怪の当主だし……。

そんな人に本気にさせると宣言しちゃったし
怪我までさせちゃった。

下手に怒らすのも怖いけど
このままだと無事では済まないだろう。

自分の身が危険になってくる。

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