もののけ会社と甘いキス。

さすがに私が勤めている会社や社長が妖怪だと
言いにくい。

するとお母さんは、深いため息を吐いた。

『そう……そんなことが。大体は、想像はつくわ。
だから、妖怪が響の力に気づく前に
力を封印したのに。
まさか、こんなに早く気づかれるなんて……』

えっ?妖怪が私の力に気づく前に
封印したって、どういうことなの!?

「お母さん。出来ることなら全部教えて!!
私の力って……どういうこと?」

それが社長を弾き返した原因が分かるかも知れない。

私に何が起きているのか気になった。

『本当は、話さずに過ごして欲しかったけど
気づかれた以上は、話した方が良さそうね。
えぇ、確かに。私の実家……月ノ宮一族は、代々
妖怪専門の陰陽師をしているわ。
その中でも娘として産まれた巫女は、
巨大な霊力を持っているの」

「響も私譲りで、強い霊力を持って
産まれたのだけどあまりにも強過ぎてね。
だからお父さんや親族と相談して
小さなあなたを守るために力を封印したのよ。
その反動で、その時の記憶も霊感も
無くしたみたいだけど。
私達……家族は、実家と離れて暮らすことにしたわ。
妖怪と関わらないようにして」

母から聞いた真実は、衝撃的なものだった。

私にそんな力が眠っていたなんて……?

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