もののけ会社と甘いキス。
「どうにかならないのですか?」
「残念ながら私もどうすることも出来ないわ。
その封印の家紋を解くには、
あなたか、月ノ宮の血筋の者しか無理でしょうね」
「そんな……」
じゃあ私は、社長と恋愛したくても
無理だってことなの……?
例え社長が本気になってくれても……。
「それだけではないわ。
あなたが、月ノ宮一族の人間だと知れば
きっと、あなたの力を欲しがる妖怪も現れる。
妖怪にとったら月ノ宮一族の力は、天敵だけど
強大な力でもあるから魅力なモノでもあるわ。
手に入れたら妖怪世界のトップも
夢ではないでしょう」
「だから社長は、あなたの力を守ろうとするわ。
私を託したのは、女同士ってのもあるけど
あなたの心の負担にならないようにしたかったのよ。
私なら襲う心配もないし、人間を愛した者だから
相談もしやすいでしょうから」
それを聞いた時は、驚いたが
確かに雪江さんがそばに居てくれると心強い。
相談にも快く乗ってくれるし
お婆ちゃんみたいに優しくて
何だかホッとした。
「これからは、妖怪だと気づいたら
なるべく2人にならないで。
もし何かあったら私や社長でもいいから
助けを求めて。必ず守るから」
「ありがとう ……ございます」
雪江さんの言葉に
社長の優しさが伝わってきた。