かりそめ婚!?~俺様御曹司の溺愛が止まりません
バーから三階分、下に降りたところにある客室に、颯志くんは今晩宿泊するための部屋をとってくれた。
客室としては最上階にある部屋で、中は広々としたスイートルームになっていた。
颯志くんのマンションも充分立派だけれど、それ以上に壮大な窓からの眺めと、優美で繊細な家具、シャンデリアが放つエレガントなムードに圧倒され、私はほうっと息をつく。
「すごく豪華なお部屋ですね」
「俺の部屋より贅沢じゃなかったら、来る意味ないだろう?」
そう言って颯志くんが座ったのは、曲線の装飾が美しいヴィクトリアン調のソファだ。
まるで西洋のお姫様になったような気分で颯志くんの隣に腰掛ける。
しばし見つめ合って、穏やかで、それでいてわずかに高揚した空気がふたりの間に流れた。
おもむろに颯志くんが口を開く。
「初めてこのホテルに来て、一夜を明かしたときのことを覚えているか?」
それはあまりにも色気のない一夜。