かりそめ婚!?~俺様御曹司の溺愛が止まりません
沙之くんに大きく腕を振り払われ、私の体は横に投げ出されてしまった。

バランスを崩して床へ倒れ込む。ちょうどそこにあったのはウェディングドレスのトレーン――腰から床の上まで伸びたスカートの裾の部分だった。

――ビリッ――

その瞬間、派手な音を響かせて、ドレスのウエストが真っ二つに裂けた。

腰から太ももにかけて大きく破れ、左半分にぽかんと穴が開く。さらに縦のラインにも、もうひとつ裂け目。

私は床に伝うトレーンを握りしめながら、呆然と破けたドレスを見つめた。

……私ったら、なんてことを……。

せっかく、颯志くんがオーダーしてくれた、こだわりのドレスが……。たぶん今、人生で一番、頭が真っ白になっている。

「瑠莉! 大丈夫か!」

颯志くんが駆けつけて、私を助け起こしてくれるけれど。

「ご、ごめんなさい、颯志くん」

涙を滲ませ、パニックに陥る私に颯志くんは「違う、瑠莉のせいじゃない。俺が悪いんだ」そう言って声を落とした。
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