かりそめ婚!?~俺様御曹司の溺愛が止まりません
たぶん、私がマズイって顔をしかめるのを楽しみにしているのだろう。

でも、ウイスキーならお父さんもよく飲んでいるし、味見させてもらったこともあるから、飲めなくはないと思う……たぶん。

ひと口だけ飲ませてもらうと、濃いアルコールの香りが口から鼻へふわっと抜けた。

うん、たくさんは飲めないけれど、一口ならその味を楽しめる。

「おいしいですね」

「……お前、本気か?」

颯志くんの顔が引きつる。バーテンダーの拓真さんも、目をパチパチと瞬かせた。

「……そういえば、瑠莉の親父さん、ものすごい酒豪だって聞いた気がするな」

「お酒に強いのは遺伝でしょうか。これは酔わせて口説くのは難しいかもしれませんね」

「拓真。ウイスキーベースのカクテルもらえる? 今度は手加減なしのやつ。マンハッタンなんてどうだ?」

颯志くんの提案に、拓真さんは呆れ顔だ。

いったいどんなカクテルなんだろう、名前を聞いても全然わからないけれど……。
< 36 / 218 >

この作品をシェア

pagetop