かりそめ婚!?~俺様御曹司の溺愛が止まりません
「本気ですか? どうなっても知りませんよ」

「いいんだ。どうせ今日はここに泊るから」

「まったく……悪い男に掴まっちゃいましたね」

そうため息をついて、拓真さんはミキシンググラスに二種類のお酒を注ぎ、かき混ぜる。

「どうぞ、ゆっくり飲んでくださいね」

そうひと言添えて差し出されたのは、深く澄んだスカーレッドに、チェリーが飾りつけられたカクテルだった。

ベリーニの淡いオレンジとピーチの香りはかわいらしかったけれど、今度は情熱的でセクシーな赤。香りも、ウイスキー独特の癖のある芳醇な香りだ。

「大人っぽい雰囲気のカクテルですね」

「ええ、その通りですよ。カクテルの女王と呼ばれています。マリリン・モンローのシンボルとされていて、『お熱いのがお好き』という映画の中で――」

語り始めた拓真さんの言葉を、颯志くんは「うんちくはいいよ。お前は説明が長い」と遮る。
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