Shooting☆Star
「ねえ、ダイチ、彼女は?」
ダイチが一人で飲みに出掛けるのは珍しい。大体、女の子と飲んで酔っ払って電話をしてくることはあるが、百香を呼び出すようなことはなかった。
「別れたよ。3カ月くらい前に。」
「そう、知らなかった。他の子は?」
「知らない。……それより、モモの顔が見たくて。」
なにそれ。
「ダイチ、ほんとにどうしたの?」
困惑を隠すこともせず、百香はダイチの顔を見る。
ダイチはそれには答えずに「マスター。俺、この先考えてないんだけど。」と、バーテンダーに助けを求める。
どういうこと?と、振り返る百香に「どうぞ。これは、ワタクシから」と、ノンアルコールのカクテルを差し出しながら、彼は「少々、掛けを」といった。
それは、単純なものだった。
百香に会いたいと漏らしたダイチに、マスターはひとつの提案をした。
「そんなに会いたいなら、呼び出してみてはいかがですか?いつものお嬢さん達のように。」と。
ところが、ダイチはアドレス帳を開いて百香の名前を眺めるだけで、いつまでも発信ボタンを押さない。
痺れを切らしたマスターは、ダイチの携帯端末をそっと取り上げ「百香さんがいらしたら、この掛けはワタクシの勝ちです。少し素直になっていただきましょう。」そう言って 発信のボタンを押した。
あとは百香の知る通りだ。
「なにそれ……。」
困ったように笑う百香に、ダイチは問いかける。
「モモさ、何で来ちゃったの。」
呼び出しておいて、それ、訊くの?百香は笑いながら、答える。
「何でって……それが私の仕事だからだよ。」
「仕事だから?」
「うん。万が一があった時に、あなた達を守るのが私の仕事だよ。」
それがプライベートであっても、何かあった時に世間からタレントを守るのがマネージャーの務めだ。百香はそう思う。
即答されて、ダイチは思わず苦笑する。
「仕事じゃなかったら、来なかった?」
「んー。どうかな…?でも、仕事じゃなかったら、私たち知り合ってないよ?」
「相手が、俺じゃなかったら?」
「他の誰かってこと?」
「例えば、ユウとか。」
「ユウくんは…そんなことしないでしょ。」
「例えばだよ。」
ダイチが一人で飲みに出掛けるのは珍しい。大体、女の子と飲んで酔っ払って電話をしてくることはあるが、百香を呼び出すようなことはなかった。
「別れたよ。3カ月くらい前に。」
「そう、知らなかった。他の子は?」
「知らない。……それより、モモの顔が見たくて。」
なにそれ。
「ダイチ、ほんとにどうしたの?」
困惑を隠すこともせず、百香はダイチの顔を見る。
ダイチはそれには答えずに「マスター。俺、この先考えてないんだけど。」と、バーテンダーに助けを求める。
どういうこと?と、振り返る百香に「どうぞ。これは、ワタクシから」と、ノンアルコールのカクテルを差し出しながら、彼は「少々、掛けを」といった。
それは、単純なものだった。
百香に会いたいと漏らしたダイチに、マスターはひとつの提案をした。
「そんなに会いたいなら、呼び出してみてはいかがですか?いつものお嬢さん達のように。」と。
ところが、ダイチはアドレス帳を開いて百香の名前を眺めるだけで、いつまでも発信ボタンを押さない。
痺れを切らしたマスターは、ダイチの携帯端末をそっと取り上げ「百香さんがいらしたら、この掛けはワタクシの勝ちです。少し素直になっていただきましょう。」そう言って 発信のボタンを押した。
あとは百香の知る通りだ。
「なにそれ……。」
困ったように笑う百香に、ダイチは問いかける。
「モモさ、何で来ちゃったの。」
呼び出しておいて、それ、訊くの?百香は笑いながら、答える。
「何でって……それが私の仕事だからだよ。」
「仕事だから?」
「うん。万が一があった時に、あなた達を守るのが私の仕事だよ。」
それがプライベートであっても、何かあった時に世間からタレントを守るのがマネージャーの務めだ。百香はそう思う。
即答されて、ダイチは思わず苦笑する。
「仕事じゃなかったら、来なかった?」
「んー。どうかな…?でも、仕事じゃなかったら、私たち知り合ってないよ?」
「相手が、俺じゃなかったら?」
「他の誰かってこと?」
「例えば、ユウとか。」
「ユウくんは…そんなことしないでしょ。」
「例えばだよ。」