両想いになったあの日から。
「ごめん、おまたせ」
そこにハヤトくんが来てお会計をしてお店をでた。
「で、話って?」
「…まぁここでは話せないから家まで行こ」
ハヤトくんの家はお店から歩いて10分ほど。
家と家の間の細い道を歩いたところにでてくる小さなアパート。
1フロア2部屋の2階建て。
家について部屋に入った。
綺麗に整理整頓されておしゃれに着飾られている部屋は
ほのかにコーヒーの匂いがしている。
「急にごめんな。ユウトとミナちゃんには話しておこうと思って」
「いや…どうした、何かあったか」
ユウトとハヤトくんの絆の深さみたいなのが身に染みてわかる空気に
私はただ聞くことしかできなくて…
「実は、ここを出ることにした」
「は?」
咄嗟にでたユウトの言葉。
その言葉を受け止めたかのようにハヤトくんは経緯を話してくれた。
今のお店のオーナーが病気になったらしく
あと1ヶ月でお店を閉じることになった。
オーナーの病気は重いものではなく
手術をして完治するものだという。
退院してからお店を開ければいいと言ったが
オーナーはお店を閉じると言って聞かなかったらしい。
ここから離れた田舎へ移住して老後を楽しみたいと言っていたことをハヤトくんは知っていて、だから強く止めることもできなかったという。