私はマリだけどなにか?
マリが吉祥寺に来て3年が過ぎたある日。
花が突然「私、少しの間ここを留守にする。のんびりと旅に出る」そう言い残したまま旅立った。
マリも「私も、ここらで北海道に帰る」と言いだした。
吉祥寺仲間の盛大なお別れ会が三日間続き、それぞれに固いハグを交わし、思い出の街を離れた。
久しぶりに小樽に帰ったマリは荷物の整理をして、久しぶりの町に出た。そしてテ~ジの店にやってきた。
「いらっしゃいませ~あなたに合った水晶どうですか」懐かしいシゲミの声だった。
「ひとつ下さい・・・」
「ハイありがとうございます」シゲミが見上げると笑顔のマリの顔が目に入った。
「あれ、マリ・マリじゃない…元気だったの。いつ帰ったの?」
「3日前で~す」
「元気だった?」
「はい、元気です。店長は?」
「ハゲ、裏のショップに油売りに行ってるのよ。最近、裏に入り浸りなの。あのハゲと向こうのオーナーと話しが合って、何時もこの時間になると行くのよ。もう少しで戻るから待ってな… それよりどうだった?東京は?ジッタ吉祥寺に行ったでしょ。あのあと、店に来るたびにマリと花さんは凄いって自分の事みたいに自慢話するのね、すごく感激したみたいだよ。で、もうジッタに会ったのかい?」
「近々連絡してみます。小樽に帰ることはメールしてますから解ってると思います」
そこに、店長が帰ってきた。
「おや・・・誰かと思ったらマリちゃんでしょ。お帰りなさい元気だったのかい?」
シゲミが「店長、マリが帰ること知ってたの?」
「うん、ジッタから聞いてたよ」
「なんで教えてくれなかったのさ・・・」
「言ったでしょ?あれ?僕が言ったのアヤミちゃんだったかな?似てるから忘れた」
シゲミが「店長のエロハゲ・・・」
マリが「店長、今度はエロハゲなんですか?」
「マリちゃんまで・・・勘弁してよ」
店の客をほっといて3人は盛り上がった。シゲミが「そうだアヤミが町に出てきてるはずだからメールしておくから」
十分ほどでアヤミもかけつけた。店長が「誰か足りないと思ったらジッタが足りない。僕がメールしておこうかね。マリちゃん今日はこの後、なにか予定入ってる?」
「いえ、無いです。そうだ私も3人組に連絡します」
8時の閉店と同時に店を閉めて宴会が始まった。
始まってすぐに店長が「あの~う、もうひとり呼びたいけどかまわないかな?」
全員声をそろえて「いいとも~」
準備してたかのように現われたのが裏のスピリチュアルショップの女性オーナー大広積子だった。
「初めまして大広です。お近づきにビールお持ちしました。これどうぞ」
「かんぱ~い」こうして9人がそろった。
大広が「マリさんは吉祥寺の花さんと一緒に店並べてたんですって?」
「はい、いろいろ勉強させて貰いました」
「よかったら花子さんってどんな人か説明願えないでしょうか?あの方はとっても興味あるの」
「簡単にですか?簡単にはチョット難しいですね…なんて言うか空気みたいな…俗に、大きな人とか心の広い人とか、哲人とか色んな表現があると思いますが、そのどれもが当てはまるし外れてます。私は花子さんは純粋な人そのものだと思います」
テ~ジが「純粋って?」
「はい、普通世間の人は外に出たら、誰かに会わせようとしますよね、それが社会だったり、組織だったり。でも、花さんはそのどれにも影響を受けないの。でいてしっかりとと属してるんです。空集合みたいな、分かりやすくいうと、世間に影響されず世間の仲間入りが自然と出来る女性かな…」
ジッタが「僕も吉祥寺で朝まで花子さんに質問攻めしたけど、どんな質問にも僕に分かりやすく淡々と応えてくれたよ。
普通質問されたら答えるのに多少の考えるタイムラグがあるよね、彼女はどんな質問にも即答っていうか。こっちが質問する前に察知して答えを云ってくれるんだ。本当に悟りってあるんだよ。花子さんをみたらわかるよ」
アヤミが「やっぱ噂は本当だったんだね、もっと聞かせてよ」
マリが「花子さんは大学を出てそのまま横浜でホームレスになったらしいの、同じホームレス中間に横浜の次郎さんという人に師事していて、その次郎さんが亡くなる前に花子さんに『なにが不安なんだね?その不安を出してごらん』と云ったらしいの。それを考えてる最中。次郎さんが不良達に絡まれていた人を助けようとして逆に暴行に遭い亡くなったの。
そのショックで鬱状態にあった花こさんが、小屋に籠もりっぱなしで、ある朝カモメが飛んでる姿を見て忽然と悟ったらしいの。その後、実家に戻り近くの吉祥寺で椅子とテーブルを置いて色んな人の話し相手や相談に乗ってるの。そこの横で私が3年間世話になってたの。半分は花さんのぱしりみたいなことやってたの。ある時、花さんが急にひとりで旅出ると云って姿を消したの。で、私も小樽に帰ることにしたって言うわけ」
シゲミが「どんな相談が多かったの?」
「なんでもなの、老若男女やジャンルを選ばないの。来る人は誰でも対応するの。ただ、ミュージシャンや芸術家が比較的多かったかも」
大広が「3年も一緒にいたらマリさんもなんか影響受けました?」
「影響かどうか分からないけど。相談者の顔を見たらなんの相談事か分かるようになりました」
大広が「ああいうバイブレーションって同調するっていうから、それかもしれないね?」
マリが「私もそれ感じたことあります」
ジッタが「話し変わるけどマリは今後どうするの?」
「うん、ふた月ぐらいのんびりして考える」
店長が「またマリちゃんの書を店に置かない?結構評判よくてさ。あの後問い合わせが立て続けにあったんだよ。どう?」
その日は終始花子の話題で終った。
花が突然「私、少しの間ここを留守にする。のんびりと旅に出る」そう言い残したまま旅立った。
マリも「私も、ここらで北海道に帰る」と言いだした。
吉祥寺仲間の盛大なお別れ会が三日間続き、それぞれに固いハグを交わし、思い出の街を離れた。
久しぶりに小樽に帰ったマリは荷物の整理をして、久しぶりの町に出た。そしてテ~ジの店にやってきた。
「いらっしゃいませ~あなたに合った水晶どうですか」懐かしいシゲミの声だった。
「ひとつ下さい・・・」
「ハイありがとうございます」シゲミが見上げると笑顔のマリの顔が目に入った。
「あれ、マリ・マリじゃない…元気だったの。いつ帰ったの?」
「3日前で~す」
「元気だった?」
「はい、元気です。店長は?」
「ハゲ、裏のショップに油売りに行ってるのよ。最近、裏に入り浸りなの。あのハゲと向こうのオーナーと話しが合って、何時もこの時間になると行くのよ。もう少しで戻るから待ってな… それよりどうだった?東京は?ジッタ吉祥寺に行ったでしょ。あのあと、店に来るたびにマリと花さんは凄いって自分の事みたいに自慢話するのね、すごく感激したみたいだよ。で、もうジッタに会ったのかい?」
「近々連絡してみます。小樽に帰ることはメールしてますから解ってると思います」
そこに、店長が帰ってきた。
「おや・・・誰かと思ったらマリちゃんでしょ。お帰りなさい元気だったのかい?」
シゲミが「店長、マリが帰ること知ってたの?」
「うん、ジッタから聞いてたよ」
「なんで教えてくれなかったのさ・・・」
「言ったでしょ?あれ?僕が言ったのアヤミちゃんだったかな?似てるから忘れた」
シゲミが「店長のエロハゲ・・・」
マリが「店長、今度はエロハゲなんですか?」
「マリちゃんまで・・・勘弁してよ」
店の客をほっといて3人は盛り上がった。シゲミが「そうだアヤミが町に出てきてるはずだからメールしておくから」
十分ほどでアヤミもかけつけた。店長が「誰か足りないと思ったらジッタが足りない。僕がメールしておこうかね。マリちゃん今日はこの後、なにか予定入ってる?」
「いえ、無いです。そうだ私も3人組に連絡します」
8時の閉店と同時に店を閉めて宴会が始まった。
始まってすぐに店長が「あの~う、もうひとり呼びたいけどかまわないかな?」
全員声をそろえて「いいとも~」
準備してたかのように現われたのが裏のスピリチュアルショップの女性オーナー大広積子だった。
「初めまして大広です。お近づきにビールお持ちしました。これどうぞ」
「かんぱ~い」こうして9人がそろった。
大広が「マリさんは吉祥寺の花さんと一緒に店並べてたんですって?」
「はい、いろいろ勉強させて貰いました」
「よかったら花子さんってどんな人か説明願えないでしょうか?あの方はとっても興味あるの」
「簡単にですか?簡単にはチョット難しいですね…なんて言うか空気みたいな…俗に、大きな人とか心の広い人とか、哲人とか色んな表現があると思いますが、そのどれもが当てはまるし外れてます。私は花子さんは純粋な人そのものだと思います」
テ~ジが「純粋って?」
「はい、普通世間の人は外に出たら、誰かに会わせようとしますよね、それが社会だったり、組織だったり。でも、花さんはそのどれにも影響を受けないの。でいてしっかりとと属してるんです。空集合みたいな、分かりやすくいうと、世間に影響されず世間の仲間入りが自然と出来る女性かな…」
ジッタが「僕も吉祥寺で朝まで花子さんに質問攻めしたけど、どんな質問にも僕に分かりやすく淡々と応えてくれたよ。
普通質問されたら答えるのに多少の考えるタイムラグがあるよね、彼女はどんな質問にも即答っていうか。こっちが質問する前に察知して答えを云ってくれるんだ。本当に悟りってあるんだよ。花子さんをみたらわかるよ」
アヤミが「やっぱ噂は本当だったんだね、もっと聞かせてよ」
マリが「花子さんは大学を出てそのまま横浜でホームレスになったらしいの、同じホームレス中間に横浜の次郎さんという人に師事していて、その次郎さんが亡くなる前に花子さんに『なにが不安なんだね?その不安を出してごらん』と云ったらしいの。それを考えてる最中。次郎さんが不良達に絡まれていた人を助けようとして逆に暴行に遭い亡くなったの。
そのショックで鬱状態にあった花こさんが、小屋に籠もりっぱなしで、ある朝カモメが飛んでる姿を見て忽然と悟ったらしいの。その後、実家に戻り近くの吉祥寺で椅子とテーブルを置いて色んな人の話し相手や相談に乗ってるの。そこの横で私が3年間世話になってたの。半分は花さんのぱしりみたいなことやってたの。ある時、花さんが急にひとりで旅出ると云って姿を消したの。で、私も小樽に帰ることにしたって言うわけ」
シゲミが「どんな相談が多かったの?」
「なんでもなの、老若男女やジャンルを選ばないの。来る人は誰でも対応するの。ただ、ミュージシャンや芸術家が比較的多かったかも」
大広が「3年も一緒にいたらマリさんもなんか影響受けました?」
「影響かどうか分からないけど。相談者の顔を見たらなんの相談事か分かるようになりました」
大広が「ああいうバイブレーションって同調するっていうから、それかもしれないね?」
マリが「私もそれ感じたことあります」
ジッタが「話し変わるけどマリは今後どうするの?」
「うん、ふた月ぐらいのんびりして考える」
店長が「またマリちゃんの書を店に置かない?結構評判よくてさ。あの後問い合わせが立て続けにあったんだよ。どう?」
その日は終始花子の話題で終った。