私はマリだけどなにか?
アヤミは携帯でシゲミから話を聞いた。なるほどね、勘違いか……
「オバハン方、ちょっと待ってな、もう少しで面白いもの見せてあげる」
一五分後、スクーターに乗ったシゲミが現われた。
「お待ちどうさん」
シゲミを見た4人は言葉を失った。
シゲミが「なんだ、またあんたなの?今度はなに?」
アヤミが割って入った。
「チョット待てや、その前に私に謝れ! おい、そこの二人!それが礼儀だろうが?いきなり人を捕まえて、『なに偉そうにこの前の威勢はどうしたのよ』って言ったね、えっ!常識を語りたいなら、最低限の常識を守りな、そこの二人」
二人は小声で「ごめんなさい」
「声が小さい!聞こえない!」
「ごめんなさい」
「はい。シゲミ、バトンタッチ」
「今度はわたしね。今日はどうしたって?」
アヤミに出鼻を挫かれた4人だった。
「もういい、今日は帰る…」
シゲミが「どうしたの?言いたいことあってここに来たんじゃないの?」
「だから、もういいって言ってるの」
「良くないよ。ここに来たって事はだよ、自分達は間違ってないって思うから来たんでしょ?だったら言いなよ。私、聞くから」
アヤミは思った。シゲミのこのパターンは超しつこいよフフッ。
シゲミが「私が言おうか?中高生相手にくだらん石を売ってからに、少し懲らしめてやろうか!てか?4人もいたらびびるだろうってね……」
「いや、そこまでは言ってませんけど」
「だったら、なにが言いたいの?えっ!」
「だからもうよろしいのよ」
「いい、もう一度言うよ、私は石を売りつけてません。向こうが自分の意思で店に来て買っていくの、前にも言ったように買う側の問題。こちらからは何も云ってないの。神社でも安産のお札なんかは、このお札は安産に効きますなんて神主さん絶対言わないの、そんなこと言っちゃいけないのよ。買う側の問題だから。解った?解ったら商売の邪魔になるからお引き取り下さい」
側で聞いていたアヤミは、あいつ、いつも言ってるくせによく言うよ、たく……
4人は返り討ちにあい無惨に退散した。その後テ~ジが店に帰ってきた。
「あら、シゲミちゃん休みなのにどうかしたの?」
「店長の顔が見たくてきました。なんか店長のその間の抜けた顔、毎日見ないと不安なんで~す」
「いやぁそんなぁ~」
「店長なに照れてるの?シゲミにからかわれてるの解らないの?」
「シゲミちゃん本当に僕のことからかってるの?」
シゲミは「いえ、からかってませ~ん!」
テ~ジはアヤミの方を振り返って「ほらっ…」
「シゲミいいかげんにしな」
シゲミは「そんなことないですよ、店長また寿司食べに行きましょう。私と、ふ、た、り、で、ねっ!」
瞬間、テ~ジはみどり寿司を思い出し顔が青くなった。
「さっ仕事だ仕事、アヤミちゃん仕事しよう。あなたに合った水晶見つけませんか~~水晶で作るオリジナルストラップもお作りしますよ~」
騒動を何も知らないテ~ジだった。
「ごめんください」
「はい、いらっしゃいませ」
「私、札幌の消費者保護の部屋の久慈和子と申します。こちらの店の代表の方おられますか?」
「ハイ、僕ですがなにか?」
「こちらの商品の売り方でお聞きしたいことがありまして訪問させていただきました」
「どういう事ですか?」
「こちらで水晶石の販売をなさってますね」
「はい」
「その売り方についてお聞きしたいのですが?」
「はい、どうぞ」
「こちらでは水晶に何かしらの、パワーまたは御利益があると言って販売なさっているとか聞きましたが、事実なんでしょうか?」
「い~えその様な売り方はしておりませんが」
「そうですか?私どもに苦情が寄せられておりますけど」
「もし苦情であれば直接その水晶をお持ち下さい。事実関係を調べた上で私が責任を持って返品させていただきますけど」
「こちらにシゲミさんという店員さんおられますか?」
「はい、あの娘ですけど」
「シゲミさんお仕事中すみませんが?」
「はい、なにか?」
「今店長さんにお話ししたんですけど」
「あなたの販売の仕方に・・・」
最後まで聞かないうちにシゲミが「あの~う、今仕事中なんですが行政指導か何かですか?消費者保護の部屋って公設ですか私設ですか?」
「私設ですけど何か?」
「名刺はあります?」
「いいえ、必要ありませんの」
「じゃああなたを証明するもの何かあります?」
「いいえ、私が言ってることはそうじゃありませんの」
「ちょっと待ってね『そうじゃありません』って、そのそうはなにを意味してるの?」
「いえ、その」
「公でもない、名刺も無いって、私はいったい何処の誰と話してるのかしら。ただのいちゃもんなら業務妨害で警察呼ぶよ!どうなの?」
「話しても無駄なようね!」捨て台詞を吐いて帰って行った。
シゲミの3連勝目であった。
「シゲミちゃんまたうるさいのが来たら頼むね。僕シゲミちゃんの言い方聞いたらホッとするんだ」
シゲミは店長の顔を見て「おめえがしっかりしろっ!」
「はいっ!」
瞬間二人は大声で笑った。
それから数ヶ月なにもなく経過した。非番のアヤミが突然店を訪れた。
「シゲミ、うちの店の丁度裏手にスピリチュアルショップがオープンするらしいよ」
店長が「えっ、今改装中の店はスピリチュアルショップなの?シゲミちゃんどう思う?」
「結構なことじゃないですか」
「観光客は半数がひやかしなんだし、向こうに来る客はこっちにも顔出しますよ。どうせならスピリチュアルエリアとして知名度が上がれば楽しいのに」
テ~ジはシゲミのこういうポジテブな発想を尊敬していた。
そんな時「あのうすいません」
テ~ジが「はい、なんでしょうか」
「この度、裏にオープンするスピリチュアルショップの大広と申します。開店の挨拶に伺いました。どうぞ宜しくお願いいたします」
上品そうな女性だった。
「それはご丁寧にどうも初めまして。僕が店主の村井です。頑張って下さい。解らないことあったらいつでも気兼ねなく聞いて下さい」
「助かります、宜しくお願いいたします」
帰ったあとを潤んだ目線で彼女を追うテ~ジがいた。
「店長!」
「なに?」
「目が星になってんぞ」シゲミが言った。
「そんなことないサ~」
「あんたは沖縄人か?」
THE END
「オバハン方、ちょっと待ってな、もう少しで面白いもの見せてあげる」
一五分後、スクーターに乗ったシゲミが現われた。
「お待ちどうさん」
シゲミを見た4人は言葉を失った。
シゲミが「なんだ、またあんたなの?今度はなに?」
アヤミが割って入った。
「チョット待てや、その前に私に謝れ! おい、そこの二人!それが礼儀だろうが?いきなり人を捕まえて、『なに偉そうにこの前の威勢はどうしたのよ』って言ったね、えっ!常識を語りたいなら、最低限の常識を守りな、そこの二人」
二人は小声で「ごめんなさい」
「声が小さい!聞こえない!」
「ごめんなさい」
「はい。シゲミ、バトンタッチ」
「今度はわたしね。今日はどうしたって?」
アヤミに出鼻を挫かれた4人だった。
「もういい、今日は帰る…」
シゲミが「どうしたの?言いたいことあってここに来たんじゃないの?」
「だから、もういいって言ってるの」
「良くないよ。ここに来たって事はだよ、自分達は間違ってないって思うから来たんでしょ?だったら言いなよ。私、聞くから」
アヤミは思った。シゲミのこのパターンは超しつこいよフフッ。
シゲミが「私が言おうか?中高生相手にくだらん石を売ってからに、少し懲らしめてやろうか!てか?4人もいたらびびるだろうってね……」
「いや、そこまでは言ってませんけど」
「だったら、なにが言いたいの?えっ!」
「だからもうよろしいのよ」
「いい、もう一度言うよ、私は石を売りつけてません。向こうが自分の意思で店に来て買っていくの、前にも言ったように買う側の問題。こちらからは何も云ってないの。神社でも安産のお札なんかは、このお札は安産に効きますなんて神主さん絶対言わないの、そんなこと言っちゃいけないのよ。買う側の問題だから。解った?解ったら商売の邪魔になるからお引き取り下さい」
側で聞いていたアヤミは、あいつ、いつも言ってるくせによく言うよ、たく……
4人は返り討ちにあい無惨に退散した。その後テ~ジが店に帰ってきた。
「あら、シゲミちゃん休みなのにどうかしたの?」
「店長の顔が見たくてきました。なんか店長のその間の抜けた顔、毎日見ないと不安なんで~す」
「いやぁそんなぁ~」
「店長なに照れてるの?シゲミにからかわれてるの解らないの?」
「シゲミちゃん本当に僕のことからかってるの?」
シゲミは「いえ、からかってませ~ん!」
テ~ジはアヤミの方を振り返って「ほらっ…」
「シゲミいいかげんにしな」
シゲミは「そんなことないですよ、店長また寿司食べに行きましょう。私と、ふ、た、り、で、ねっ!」
瞬間、テ~ジはみどり寿司を思い出し顔が青くなった。
「さっ仕事だ仕事、アヤミちゃん仕事しよう。あなたに合った水晶見つけませんか~~水晶で作るオリジナルストラップもお作りしますよ~」
騒動を何も知らないテ~ジだった。
「ごめんください」
「はい、いらっしゃいませ」
「私、札幌の消費者保護の部屋の久慈和子と申します。こちらの店の代表の方おられますか?」
「ハイ、僕ですがなにか?」
「こちらの商品の売り方でお聞きしたいことがありまして訪問させていただきました」
「どういう事ですか?」
「こちらで水晶石の販売をなさってますね」
「はい」
「その売り方についてお聞きしたいのですが?」
「はい、どうぞ」
「こちらでは水晶に何かしらの、パワーまたは御利益があると言って販売なさっているとか聞きましたが、事実なんでしょうか?」
「い~えその様な売り方はしておりませんが」
「そうですか?私どもに苦情が寄せられておりますけど」
「もし苦情であれば直接その水晶をお持ち下さい。事実関係を調べた上で私が責任を持って返品させていただきますけど」
「こちらにシゲミさんという店員さんおられますか?」
「はい、あの娘ですけど」
「シゲミさんお仕事中すみませんが?」
「はい、なにか?」
「今店長さんにお話ししたんですけど」
「あなたの販売の仕方に・・・」
最後まで聞かないうちにシゲミが「あの~う、今仕事中なんですが行政指導か何かですか?消費者保護の部屋って公設ですか私設ですか?」
「私設ですけど何か?」
「名刺はあります?」
「いいえ、必要ありませんの」
「じゃああなたを証明するもの何かあります?」
「いいえ、私が言ってることはそうじゃありませんの」
「ちょっと待ってね『そうじゃありません』って、そのそうはなにを意味してるの?」
「いえ、その」
「公でもない、名刺も無いって、私はいったい何処の誰と話してるのかしら。ただのいちゃもんなら業務妨害で警察呼ぶよ!どうなの?」
「話しても無駄なようね!」捨て台詞を吐いて帰って行った。
シゲミの3連勝目であった。
「シゲミちゃんまたうるさいのが来たら頼むね。僕シゲミちゃんの言い方聞いたらホッとするんだ」
シゲミは店長の顔を見て「おめえがしっかりしろっ!」
「はいっ!」
瞬間二人は大声で笑った。
それから数ヶ月なにもなく経過した。非番のアヤミが突然店を訪れた。
「シゲミ、うちの店の丁度裏手にスピリチュアルショップがオープンするらしいよ」
店長が「えっ、今改装中の店はスピリチュアルショップなの?シゲミちゃんどう思う?」
「結構なことじゃないですか」
「観光客は半数がひやかしなんだし、向こうに来る客はこっちにも顔出しますよ。どうせならスピリチュアルエリアとして知名度が上がれば楽しいのに」
テ~ジはシゲミのこういうポジテブな発想を尊敬していた。
そんな時「あのうすいません」
テ~ジが「はい、なんでしょうか」
「この度、裏にオープンするスピリチュアルショップの大広と申します。開店の挨拶に伺いました。どうぞ宜しくお願いいたします」
上品そうな女性だった。
「それはご丁寧にどうも初めまして。僕が店主の村井です。頑張って下さい。解らないことあったらいつでも気兼ねなく聞いて下さい」
「助かります、宜しくお願いいたします」
帰ったあとを潤んだ目線で彼女を追うテ~ジがいた。
「店長!」
「なに?」
「目が星になってんぞ」シゲミが言った。
「そんなことないサ~」
「あんたは沖縄人か?」
THE END


