ピ リ カ(動物と会話する女の子)
Fは切り返した「あなたの見たUFOは嘘よ! 普通はTVで出てるような、ちゃんとした未来的なアダムスキー型があたりまえなの……」
「そうですか。私は私の見たままを言ったまでですし、アストラル体で乗ったので肉体感覚ではわかりません」
「それも、あなたの逃げね」勝ち誇ったようにFは言った。
「すみません。 Fさんの気を悪くしたのでしたら謝ります。 わたしのガイドからいい争わないようにと注意を受けましたのでこれで失礼します」
「あなたは守護霊とも話せるの?」
「ガイドとなら話せます」
「あなたのそのガイドは霊界のどのレベルにいるのよ?」
「また、レベルですか? それは次元という事ですか?」
「そうともいうけど」
「わかりません。 聞いたことありませんし霊界というよりも私の中にいつもいます」
「あんた、いい加減なことばっかり云って! あなたにはそんな能力ありません」
「そうですか、私のガイドは全ての人間はみんな能力があるって言ってました。 特別な人間は存在しない、もし特別な人間が存在するとしたらみんな特別とも……」
会場の多くの人間が帰らずに二人のやりとりを、一語一句聞き漏らさぬよう固唾を飲んで聞いていた。
「あなたに何がわかるのよ?」
「私にはわかりません。 すべてガイドから聞いた話です。 あっ、もうひとつあなたのガイドから伝言を頼まれましたけどあとでいいます」
「なによ、その思わせぶりな態度。 いいからいいなさいな!」
「でも、みなさんが聞いてますから、あとで」
「なによ、そうやって逃げるつもりなの? 私がいいっていってんだからどうぞ」
ピリカはリエと夢香の顔を見た。
二人は同時に首を縦に振り話すよう促した。
「じゃぁ『自分をしっかり見なさい』って。 そして、わたしにいえそれだけです、もういいですか……」
会場は誰ひとり動こうとしなかった。
「生意気なこと言ってすみませんでした」
ピリカはそれ以上なにもいわずに頭を下げ、リエと会場をあとにした。
帰り道リエが「コーヒー飲んで行こうか?」
ピリカを誘いパーラーakubiに入った。
「ピリカ、あんたとんでもない才能あるのね。 よく動物のこととか詳しいのは知ってたけど、もしかして動物と会話できるの?」
「はい、会話は子供の頃から動物と会話してましたけど、それよりFさんに悪いことしたかも」
「そんなこと気にしないの。 だってそういう世界を全く知らない私でさえ、ピリカの方が内容に無理はないし正論だと思うよ。 たぶんそう思った人多いと思うけど…」
「うん、内容と言うよりFさんの悲しさが話しの途中で伝わってきたの。 それがとっても悲しそうだったの…… Fさんは子供の頃いじめられっ子で、ひとりぼっちだったの。 ある時、みんなの気をひくため目に見えない世界を表現してしまったの。 自分を認めてもらい友達になろうとしたのね。 その延長線がFの会だった。 そこに、見も知らずの娘がみんなの前で否定したというか、自分の主張と違うことをみんなの前で話したから……
わたしどうしよう、謝った方がいいでしょうか?」
「って言うか、ピリカが教祖みたいね、そんなことまでわかるの?」
「いえ、これは私のガイドが教えてくれました。 私なんかわからないことばっかりです」
「でもさっきFさんとのやり取りはピリカが正論だと思うよ」
「勝手に言葉が出たんです。 私、普段はあんなこと考えていません。 本当に咄嗟に出て来たんです言葉が……」
「まあ、どっちにしても、起こったことは仕方がないし、今後のFの会の様子をみようよ。 案外平気かもしれないよあのFオバサン。 何かあったら夢香が何かいってくるから気にしないで!」
「あ、お店の方には、私のこと内緒にお願いします」
「うん、わかったよ!」
数日が過ぎスナックRONに中年男性が訪ねてきた。
ママが「いらっしゃいませ~」
「こちらにピリカさんと言う方おられ……あっ、あなた」
その客はピリカを指さした。
ママが「ピリカちゃんのお知り合い?」
その客はFの会の役員、あの中年男性だった。 ピリカとリエが出迎えた。
リエが「こちらにどうぞ。 今日はお客様として来られたのですか? それとも……」
「いや、今日は客として来ました」
リエが「お飲み物は何になさいますか?」
「バーボンのロックで」
「はいバーボンです。どうぞ」ピリカが差し出した。
「僕は田坂といいますよろしく」
「ピリカです。先日は失礼いたしました」
「リエです。いらっしゃいませ」
しばらく三人の間に沈黙が続いた。
リエが「田坂さんはススキノによく来られるんですか?」
「いや、めったに来ません。あのじつは……」
リエは何かを察し「私、席をはずしましょうか?」
ピリカは “待って!”という目をリエに投げかけたが首を横に振られた。
田坂が語り始めた「あのあと会からの脱退者が続出し、たぶん来月にも解散すると思います」
ピリカは、なんでそんなこと私に言いに?っと思った。
「そうですか……」とりあえずそういってみたが、それ以外の言葉は見つからなかった。
田坂が「僕も目が醒めました……」
「えっ?」田坂の言葉に呆然とした。
「じつはね、僕も薄々感づいてはいたんだ…… Fはおかしいってね! でも、君のような勇気はなかった。 だんだん信者数が増えるに従って、僕も頭が麻痺してしまった。 気が付いたら指導者みたいな立場に立たされ半分有頂天になっていたかもしれない…… 君の、いや、ピリカさんのおかげで僕の間違いに気が付いたよ。 ありがとう! 今日は夢香さんからここを聞いて君にお礼をいいたくて来たんだ。 目を覚まさせてくれて本当にありがとう」
「今夜はその話しを忘れて飲みませんか? 私とリエさんにもバーボンいただきます? 乾杯しましょうよ。 ようこそ田坂さん」
三人は乾杯した。 その後、なんの噂を聞きつけたのか、ピリカ目当ての客が急に増えはじめ、店に迷惑がかかると考えピリカはRONを辞めた。
「そうですか。私は私の見たままを言ったまでですし、アストラル体で乗ったので肉体感覚ではわかりません」
「それも、あなたの逃げね」勝ち誇ったようにFは言った。
「すみません。 Fさんの気を悪くしたのでしたら謝ります。 わたしのガイドからいい争わないようにと注意を受けましたのでこれで失礼します」
「あなたは守護霊とも話せるの?」
「ガイドとなら話せます」
「あなたのそのガイドは霊界のどのレベルにいるのよ?」
「また、レベルですか? それは次元という事ですか?」
「そうともいうけど」
「わかりません。 聞いたことありませんし霊界というよりも私の中にいつもいます」
「あんた、いい加減なことばっかり云って! あなたにはそんな能力ありません」
「そうですか、私のガイドは全ての人間はみんな能力があるって言ってました。 特別な人間は存在しない、もし特別な人間が存在するとしたらみんな特別とも……」
会場の多くの人間が帰らずに二人のやりとりを、一語一句聞き漏らさぬよう固唾を飲んで聞いていた。
「あなたに何がわかるのよ?」
「私にはわかりません。 すべてガイドから聞いた話です。 あっ、もうひとつあなたのガイドから伝言を頼まれましたけどあとでいいます」
「なによ、その思わせぶりな態度。 いいからいいなさいな!」
「でも、みなさんが聞いてますから、あとで」
「なによ、そうやって逃げるつもりなの? 私がいいっていってんだからどうぞ」
ピリカはリエと夢香の顔を見た。
二人は同時に首を縦に振り話すよう促した。
「じゃぁ『自分をしっかり見なさい』って。 そして、わたしにいえそれだけです、もういいですか……」
会場は誰ひとり動こうとしなかった。
「生意気なこと言ってすみませんでした」
ピリカはそれ以上なにもいわずに頭を下げ、リエと会場をあとにした。
帰り道リエが「コーヒー飲んで行こうか?」
ピリカを誘いパーラーakubiに入った。
「ピリカ、あんたとんでもない才能あるのね。 よく動物のこととか詳しいのは知ってたけど、もしかして動物と会話できるの?」
「はい、会話は子供の頃から動物と会話してましたけど、それよりFさんに悪いことしたかも」
「そんなこと気にしないの。 だってそういう世界を全く知らない私でさえ、ピリカの方が内容に無理はないし正論だと思うよ。 たぶんそう思った人多いと思うけど…」
「うん、内容と言うよりFさんの悲しさが話しの途中で伝わってきたの。 それがとっても悲しそうだったの…… Fさんは子供の頃いじめられっ子で、ひとりぼっちだったの。 ある時、みんなの気をひくため目に見えない世界を表現してしまったの。 自分を認めてもらい友達になろうとしたのね。 その延長線がFの会だった。 そこに、見も知らずの娘がみんなの前で否定したというか、自分の主張と違うことをみんなの前で話したから……
わたしどうしよう、謝った方がいいでしょうか?」
「って言うか、ピリカが教祖みたいね、そんなことまでわかるの?」
「いえ、これは私のガイドが教えてくれました。 私なんかわからないことばっかりです」
「でもさっきFさんとのやり取りはピリカが正論だと思うよ」
「勝手に言葉が出たんです。 私、普段はあんなこと考えていません。 本当に咄嗟に出て来たんです言葉が……」
「まあ、どっちにしても、起こったことは仕方がないし、今後のFの会の様子をみようよ。 案外平気かもしれないよあのFオバサン。 何かあったら夢香が何かいってくるから気にしないで!」
「あ、お店の方には、私のこと内緒にお願いします」
「うん、わかったよ!」
数日が過ぎスナックRONに中年男性が訪ねてきた。
ママが「いらっしゃいませ~」
「こちらにピリカさんと言う方おられ……あっ、あなた」
その客はピリカを指さした。
ママが「ピリカちゃんのお知り合い?」
その客はFの会の役員、あの中年男性だった。 ピリカとリエが出迎えた。
リエが「こちらにどうぞ。 今日はお客様として来られたのですか? それとも……」
「いや、今日は客として来ました」
リエが「お飲み物は何になさいますか?」
「バーボンのロックで」
「はいバーボンです。どうぞ」ピリカが差し出した。
「僕は田坂といいますよろしく」
「ピリカです。先日は失礼いたしました」
「リエです。いらっしゃいませ」
しばらく三人の間に沈黙が続いた。
リエが「田坂さんはススキノによく来られるんですか?」
「いや、めったに来ません。あのじつは……」
リエは何かを察し「私、席をはずしましょうか?」
ピリカは “待って!”という目をリエに投げかけたが首を横に振られた。
田坂が語り始めた「あのあと会からの脱退者が続出し、たぶん来月にも解散すると思います」
ピリカは、なんでそんなこと私に言いに?っと思った。
「そうですか……」とりあえずそういってみたが、それ以外の言葉は見つからなかった。
田坂が「僕も目が醒めました……」
「えっ?」田坂の言葉に呆然とした。
「じつはね、僕も薄々感づいてはいたんだ…… Fはおかしいってね! でも、君のような勇気はなかった。 だんだん信者数が増えるに従って、僕も頭が麻痺してしまった。 気が付いたら指導者みたいな立場に立たされ半分有頂天になっていたかもしれない…… 君の、いや、ピリカさんのおかげで僕の間違いに気が付いたよ。 ありがとう! 今日は夢香さんからここを聞いて君にお礼をいいたくて来たんだ。 目を覚まさせてくれて本当にありがとう」
「今夜はその話しを忘れて飲みませんか? 私とリエさんにもバーボンいただきます? 乾杯しましょうよ。 ようこそ田坂さん」
三人は乾杯した。 その後、なんの噂を聞きつけたのか、ピリカ目当ての客が急に増えはじめ、店に迷惑がかかると考えピリカはRONを辞めた。