Beast Love
平穏無事な世界で生きてきた私にとって聞き慣れない言葉の数々に、目を丸くする。



「いやぁ〜、実はね、ウチのクラスだけ退学者が続出しててさぁ。空きが他のクラスに無かったから、ノゾミさんの編入先が学校の嫌われ者たちが集められてるウチのクラスになったってワケ」


凄い内容をまたスラスラとよく言えたもんだな、この人。


「え、その学校の嫌われ者……って言うのが、さっき言ってた'野獣'って呼ばれてる人たちのことですか? 」


ウサミ先生はピンッと人差し指を天井に向けた。


「そう! ご名答。油断してたら、パクッと食べられちゃうから気を付けね。うふっ、なにそんな怖ーい顔してるのっ、冗談よ」


満面の笑みでサラッと恐ろしいことを言ってのけるこの先生も、多分、只者ではない気がする……。


でもまぁ、野獣って言っても普通科クラスだから私以外にも女子生徒がいるはずだし。


その子たちと仲良くしていれば、高校生活最後の1年を乗り切れる気がする!


がんばれ、私!


負けるな、私!


1年間、我慢するんだ!

< 10 / 548 >

この作品をシェア

pagetop