Beast Love
「さぁ、着いたわ。この扉の向こう側が、貴女の新しいクラスよ」



本館から離れ、まるで獣を隔離しているかの如く目の前に現れた古びた校舎に、ゴクリと生唾を飲み込んだ。


教室の中からは何故か、工事現場と同等のガッチャンガッチャンと激しい物音が聞こえてくる。



嗚呼、ヤバイ。


……やっぱり帰りたくなってきた。


「まーたアイツら、暴れてるな……。あ、大丈夫。何かあったら先生に言ってね。先生は、クラスで唯一の女子生徒であるノゾミさんの、味方だから」


「え、え? 唯一の女子?」


「じゃ、開けるわよ」



ガラガラッと立て付けの悪い音を響かせ、古びた木製の扉が開かれた。
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