Beast Love
「僕、鳳凰くんに尋ねたんです。『どうして僕なんかを助けてくれたんですか?』って。そしたら、彼……こう言ったんです。『同じクラスメイトだから、なんとなく助けた。クラスに暗い顔してる奴がいたら鬱陶しいし』って」


……嗚呼、そうだ。


あの人は、そういう人だった。


ー『 ポチ公もよ、困ってんなら俺がいつでも助けてやるよ』ー


不器用で、優しくて。


「その日から、鳳凰くんは僕のヒーローなのですお!! だから鳳凰くんが困ってたら、助けてあげたいんです。彼は、怖くなんかないです」



自身の辛い過去も笑顔で話してしまえるオタクくんを見て、彼は本当に心からマサトに救われたんだろうと思う。


ー『いくら払ったら、俺と突き合ってくれんの?』ー


(昨日の台詞は……もしかしたら、私の聞き間違いだったのかも……)


そう考えれば考えるほど、黒板の前で演技の練習をしている鳳凰 正人を、直視できない。



「このクラスには、僕みたいに鳳凰くんに助けられた人が大勢います。鳳凰くんがクラスの支柱みたいになってるんです、ドュフフ。だから、鳳凰くんがいなくなってしまったら、きっと……このクラスはバラバラになってしまう、そんな気すらしてしまいます」


独特な笑いを含ませながら、オタクくんは一直線にマサト達の元へ向かってしまった。

< 258 / 548 >

この作品をシェア

pagetop