Beast Love
──── 場所は変わり、冷房の効いた職員室では……。
日直の仕事である日誌を書き終え、笹原は気怠そうに職員室の扉を開く。
「宇佐美ちゃーん。日誌、持ってきたぜ」
しかし宇佐美教員は電話対応中で、こちらに背を向けている。
「…………はい、はい。……そうですか、やっぱり本人は手術を拒否しているんですね……」
神妙な面持ちで話しており、笹原の存在には気付いていないようだ。
笹原は面白くなさそうに、日誌を宇佐美の机に置こうとするが…………。
「おっ、これって……」
悪戯好きのヤンチャボーイが見つけたのは、今日のホームルームで話し合った体育祭の参加種目が生徒別に書かれた、メモ用紙だった。
「面白いこと、思いついちゃった〜。鳳凰に嫌がらせしてやろっと」
笹原は周囲を確認してから、素早く机に転がっている消しゴムとシャーペンを掴み、ある生徒の名前を入れ替える。
「これでよしっ。面白いことになるぜっ。」
そして宇佐美が電話対応を終える数秒前に、そそくさとコソ泥のように余所余所しく職員室を後にした。