弟はドラゴンで
「……で〜??どぉ〜してそんなこと聞いてきたのっ」
悲しそうに見えた表情から、パッと楽しそうな表情に切り替わった凛。
ニヤニヤと笑みを見せ、もう推測されているかのようだった。
「え?いや……その……」
「なによぉ〜?気になる〜!」
凛に、嫌な思い出話させちゃったしな……自分だけ何も言わないのは不平等だ。
しかも、自分から気になることを聞いておいて、その聞いた理由を言わないってのも変な話だよね。
……恥ずかしいけど、言うしか……ない。
「じ、実は……」
私は、凛にこの前あった柳くんとのことを話した。
「え〜!!?こ、告白……まじか!柳くん、やっぱ気になってたんだ〜唯のこと!」
「う、うーーん……なんていうか恥ずかしい……」
「なんでぇ!?いいじゃーん柳くんだよ!?あの超人気者の!!」
「うーん……」
「まぁそうか〜うんうん、なるほどね〜。それで、私に恋愛の話を持ちかけてきたわけかぁ!」
「そ、そゆことです……」
「唯も恋で悩む時が来たのね♪」
凛は、やっぱりすごく楽しんでいるようだ。
るんるんとした気分が伝わってくる。
「まぁまぁ、ゆっくり考えたまえ恋に悩む乙女よ!私はいつでも力をかすぞ♪」
「だ、誰?」
テンションが上がりすぎてか、なぜかキャラが別人になっている凛。
私はそのテンションに苦笑いを見せた。
チャイムが鳴り、お昼休みが終わると、凛は気分が良さそうに自分の席へと帰っていった。