恋は、秘密主義につき。
景色の好い場所で、時折り彼に写真をねだられながら。切れ間のない人波をゆったりと漂うように園内を巡っていく。
フラワーパークなのかと思っていたら牧場もあって。草を食んでいる馬が数頭、放牧されていた。
「征士君、馬がいますよ!」
年甲斐もなくはしゃいでしまったのは、生で見るのっておそらく初体験だったから。
「今度、乗馬ができるところに行こう」
柵のこっち側から釘付けになっている私に。征士君が微笑ましそうに笑って、また次の約束をくれた。
彼はここでも水族館の時と同じように、私のペースに合わせてくれる。
急かしたりもしないで、流れる時間を共有してくれる。
上辺だけの気遣いでもなく自然と。“私”を理解して、受け容れてくれているように。
無邪気に一緒に遊んだ子供の頃とは、確かに違うんでしょうけれど。
隣りに彼がいる居心地は悪くないのを。素直に感じている自分がいた。
「そろそろお昼にしようか」
言われて腕時計を見れば、もう12時はとうに過ぎていた。
征士君は、入場口の近くにあった売店やフードコートとは明らかに違う方向へと私の手を引いて行く。
どこへ、と首を捻っていると。緩やかな斜面の芝生広場が目の前に現れ、レジャーシートを広げて寛いでいたり、楽しそうに駆け回る子供達の賑やかな姿が映った。
フラワーパークなのかと思っていたら牧場もあって。草を食んでいる馬が数頭、放牧されていた。
「征士君、馬がいますよ!」
年甲斐もなくはしゃいでしまったのは、生で見るのっておそらく初体験だったから。
「今度、乗馬ができるところに行こう」
柵のこっち側から釘付けになっている私に。征士君が微笑ましそうに笑って、また次の約束をくれた。
彼はここでも水族館の時と同じように、私のペースに合わせてくれる。
急かしたりもしないで、流れる時間を共有してくれる。
上辺だけの気遣いでもなく自然と。“私”を理解して、受け容れてくれているように。
無邪気に一緒に遊んだ子供の頃とは、確かに違うんでしょうけれど。
隣りに彼がいる居心地は悪くないのを。素直に感じている自分がいた。
「そろそろお昼にしようか」
言われて腕時計を見れば、もう12時はとうに過ぎていた。
征士君は、入場口の近くにあった売店やフードコートとは明らかに違う方向へと私の手を引いて行く。
どこへ、と首を捻っていると。緩やかな斜面の芝生広場が目の前に現れ、レジャーシートを広げて寛いでいたり、楽しそうに駆け回る子供達の賑やかな姿が映った。