大好き、だからずっと一緒にいたい·····
私達は、買い物をした後、ランチをしながら、ゆったりと時間を過ごした。

こんな時間の使い方、本当に久しぶりだった。

毎日毎日仕事と、帰ってからもヘアメイクの練習三昧。

たまの休みは、出かけることもなく、家に閉じ込もっていた。

ここ最近の私は、女性としての時間を、すっかり失ってしまっていたんだ。

紗弓は、彼氏との甘々な話を私にしながら、テンションも上がっていた。

多少うらやましい気もした。

二十歳そこそこの恋愛トークなんて、本来はお互いもっと盛り上がるものだろう…

ごめんね、一緒に盛り上がれなくて。

私は、紗弓が幸せなら、それが嬉しい。

『綾姉は?憧れの佐竹さんと毎日一緒でなんか進展ないの?』

飲んでたミルクティーを吹き出しそうになった。

『あ、あるわけないでしょ』

『なによ~その明らかな動揺は』

紗弓が、意地悪く笑った。

『佐竹さんは…本当に憧れ。見てるだけで満足なの』

『満足ね~』

『本当、意地悪なんだから』
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