大好き、だからずっと一緒にいたい·····
みんな、酔いが回ってきたのか…移動して、バラバラになりだした…

左側に向くと、佐竹さんが私をじっと見ていた。

びっくりして、思わず

『わぁ!』

って、叫んでしまった。

『そんなに驚かないで。化け物が出たみたいに』

佐竹さんが、穏やかに微笑んでくれた。

『そんな、そんなことないです。すみません、失礼なこと…』

『いや、構わないよ。綾音ちゃんにはいつもお世話になってるから、お礼言いたくて』

『え…あ、いえ、とんでもないです、お世話になってるなんて。私こそ、まだまだ未熟なのに指名して頂いて…感謝してます』

『未熟?綾音ちゃんが?まさか。僕には最高のヘアメイクさんだよ。綾音ちゃん以外は考えてないし、僕は、君の才能に惚れてるからね』

ドキッ!ってした…

そんな甘くて優しい声で、ささやくように言わないで…

忘れなきゃいけないの。

高校生からの憧れの気持ち…

早く消さなくちゃ…

いけないの…
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