大好き、だからずっと一緒にいたい·····
早めに着いて、準備を始めた。

今日の撮影は、悠介君と香さんのシーンから始まる。

2人の大切なシーン。

『おはよう、綾音さん』

振り向くと香さんが愛想よく、私に挨拶してくれた。

『今日もよろしくお願いします』

私も挨拶を返した。

『ねえ、綾音さん。昨日、佐竹さんとずいぶん親しそうだったけど、綾音さんは佐竹さんが好きなの?』

いきなりの質問に戸惑いを隠せなかった。

『そんなことないです。佐竹さんは私の仕事のことをほめて下さるので…感謝しています。それだけです。好きとか…全然ないです』

『ふ~ん、そうなんだ』

香さん…

どうしてそんなこと聞くんだろう…

『佐竹さん、たぶん、あなたをからかって楽しんでると思うの。気の毒だけど、あなたと佐竹さんじゃ、釣り合わないし』

衝撃。

麻里さんより意地悪な笑み。

香さんも、麻里さんと同じく、佐竹さんが好き?

もう、疲れる…

佐竹さんが私のこと本気で好きになるわけないじゃない。

ただ、誰にでも優しいだけだよ…
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