大好き、だからずっと一緒にいたい·····
香さんは、髪をなびかせ、少しキツめの香水の匂いを残して、去っていった。

しばらく、私は動けなかった。

人間不信に返り咲きそうだ。

『綾音、おはよう』

悠介君…

『おはよう…』

悠介君は、昨日のことは表に出さず、優しく言ってくれた。

『どうした?元気ない?』

心配そうな顔をしてる。

『大丈夫。なんでもないよ。昨日はごめんね』

『仕事終わったら、連絡する』

悠介君…

ごめんね…

佐竹さんのことで、頭がごちゃごちゃしてる自分が本当に嫌になった。

どうしよう…

このまま佐竹さんへの憧れを振り切れなかったら…

ううん、大丈夫だよ、きっと。

私は変われる。

悠介君だけをちゃんと見れる時が来る。

焦ったって、仕方ないよ。

ゆっくり…

待っててね、悠介君。

『綾音ちゃん、昨日はありがとう』

佐竹さんが来た。

『こちらこそありがとうございました』

私は、頭を下げた。

『昨日…いろいろ言って悪かったね。麻里ちゃんに引っ張られたから…でも、本当は君ともっと話したかったんだ。また話せる時間取って欲しいな』





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