大好き、だからずっと一緒にいたい·····
『佐竹さん…』

『また今度、2人で…』

佐竹さんがそう言いかけた時に、スタッフが近くに来た…

話は止まったけど、その先って…

なんて言おうとしたの?

私は、佐竹さんのメイクをしながら、その先の言葉が気になって仕方なかった。

2人でどこかに…とか、そんなこと絶対ないよね。

2人きりだなんて…

瞬間的に、佐竹さんと2人でいるところを想像する自分がいて、それがダメな想像だって気付いて…

そして、すぐに…頭から消した…

『佐竹さん、こんな感じで大丈夫ですか?』

仕事に集中。

ただそれだけ。

『いいね、ありがとう。本当に綾音ちゃんは素晴らしいね』

立ち上がって、カメリハに向かう佐竹さん。

と、次の瞬間、急に振り返って、私の方に戻って、さっきまで座っていたイスに手を置いて、そこにいた私の耳元でこう言ったの。

『今夜会いたい、2人きりで』



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