legal office(法律事務所)に恋の罠

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それから3ヶ月後。

奏の両親と山崎夫妻の顔合わせが終わり、奏と和奏は正式に婚約した。

今日はHotel Blooming 東京 の大広間を使って、奏と和奏の婚約披露パーティーが行われる。

「和奏、緊張している?」

三揃えのダークグレーのスーツに身を包んだ奏は、シャンパンゴールドのAラインドレスを着こなす和奏の隣で微笑んでいる。

「緊張はしてるかな?調停とか法廷なんかで注目を浴びるのは慣れてるけど、こういう華やかな場所にはほとんど出ないもの」

そう言っておどける和奏は今日も美しかった。



パーティーが始まり、会長である奏の父の開会挨拶が終わり、乾杯の合図が出されると

二人のもとにも次々と関係各社の代表が挨拶に訪れた。

パーティーも中盤に差し掛かり、皆が料理に舌鼓をうち始めた頃、

「奏、和奏さん」

と、Hotel Blooming ホールディングスを束ねる会長、桜坂駈(さくらざかかける)59歳が声をかけてきた。

その隣には、同じく

Hotel Blooming ホールディングスの会長秘書、桜坂 佐和子(さくらざかさわこ)56歳。

二人は奏の両親だ。

新旧のホテル代表が勢揃いする様子を、パーティー参加者は眩しそうに遠巻きに見ていた。

「今日は、奏と和奏さんに紹介したい人がいる。すまないが、少し時間をくれないか?」

奏と和奏を端の方のテーブルに案内する奏の父、駈。

その先には、シンプルなスーツに身を包んだ男性と着物姿の小柄な女性、そして山崎夫妻が待っていた。


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