legal office(法律事務所)に恋の罠
「和奏」
弁護士執務室で、和奏がネットの書き込みへの対応に追われていると、奏とその秘書の松尾が入ってきた。
「お疲れ様です。大変なことになってますね」
和奏が苦笑すると、奏は神妙な面持ちで和奏に近づいてきた。
「迷惑をかけてすまない。女性スタッフから相談を受ける度にいつも同じ状況に陥るから、おかしいなとは思っていた。俺も警戒すべきだったのに、すまない」
和奏の手を取り、頭を下げる奏に
「奏くん、社長の仮面が外れてますよ」
と、松尾が笑って冷やかした。
「和奏は書き込みを信じる?」
「・・・」
和奏は、奏の問いに即答はできなかった。
「確かに、君と出会ってからの期間は短い。無条件に信頼できるほど、お互いを理解してはいないだろう。でも・・・」
「大丈夫です。私は宇津井の陰湿で卑怯な面を知っているし、何よりも自分の目で見たものしか信じませんから」
一瞬、悲しげに瞳が潤んだが、すぐに元の強気な和奏の表情に戻っていた。
「裏サイトの削除、マスコミの対応は済ませています。今は、この退職した女性スタッフが投稿した写真とコメントへの対応中です。身に覚えはありますか?」
和奏の問いに
「ああ、よくよく考えなくても"全ては仕組まれていた"とわかったはずだ」
奏は苦笑して肩をすくめた。
「だが、俺も黙って殺られるほど甘くない。すでに宇津井に反撃の狼煙はあげている」
そう言った奏には、いつもの強気な姿勢が見られていた。
「・・・今回、初めて男性の弁護側に立ちます。奏さんこそ、こんな目にあって後悔してるんじゃないですか?何かあったら私を守ってくれるって嘘じゃないですよね?」
和奏の消えそうな言葉に、大きく見開いた奏の瞳が一瞬、刹那気に揺らめいた。
「ありがとう、和奏。もちろん後悔なんてしない・・・!君を守るし、何も起こらないようにするから」
和奏に抱きつく奏に、
「オホン、社長、嬉しいのはわかりますけど、まだまだやるべきことが残っているのでは?」
と、松尾が優しく諭した。
弁護士執務室で、和奏がネットの書き込みへの対応に追われていると、奏とその秘書の松尾が入ってきた。
「お疲れ様です。大変なことになってますね」
和奏が苦笑すると、奏は神妙な面持ちで和奏に近づいてきた。
「迷惑をかけてすまない。女性スタッフから相談を受ける度にいつも同じ状況に陥るから、おかしいなとは思っていた。俺も警戒すべきだったのに、すまない」
和奏の手を取り、頭を下げる奏に
「奏くん、社長の仮面が外れてますよ」
と、松尾が笑って冷やかした。
「和奏は書き込みを信じる?」
「・・・」
和奏は、奏の問いに即答はできなかった。
「確かに、君と出会ってからの期間は短い。無条件に信頼できるほど、お互いを理解してはいないだろう。でも・・・」
「大丈夫です。私は宇津井の陰湿で卑怯な面を知っているし、何よりも自分の目で見たものしか信じませんから」
一瞬、悲しげに瞳が潤んだが、すぐに元の強気な和奏の表情に戻っていた。
「裏サイトの削除、マスコミの対応は済ませています。今は、この退職した女性スタッフが投稿した写真とコメントへの対応中です。身に覚えはありますか?」
和奏の問いに
「ああ、よくよく考えなくても"全ては仕組まれていた"とわかったはずだ」
奏は苦笑して肩をすくめた。
「だが、俺も黙って殺られるほど甘くない。すでに宇津井に反撃の狼煙はあげている」
そう言った奏には、いつもの強気な姿勢が見られていた。
「・・・今回、初めて男性の弁護側に立ちます。奏さんこそ、こんな目にあって後悔してるんじゃないですか?何かあったら私を守ってくれるって嘘じゃないですよね?」
和奏の消えそうな言葉に、大きく見開いた奏の瞳が一瞬、刹那気に揺らめいた。
「ありがとう、和奏。もちろん後悔なんてしない・・・!君を守るし、何も起こらないようにするから」
和奏に抱きつく奏に、
「オホン、社長、嬉しいのはわかりますけど、まだまだやるべきことが残っているのでは?」
と、松尾が優しく諭した。