2度目の忘れられない恋
来太君から電話があったと思ったら、
ドアから来太君が顔を出した
「…みお、何逃げてんだよ?」
逃げる…?
「何の事?」
「惚けんなよ〜?ほら、早く行くぞ」
私の腕を掴んで楽屋から引っ張り出そうとする
「ちょちょちょっ、待って待って!
本当、何の事?!私いま三影さんと話してる途中なんだけど?」
今日の収録で一緒だった三影さんとお話しするために終わってから楽屋に来た
今盛り上がっている時だったのに…!
「は?お前忘れたの?」
「…いや何を?」
「今日、病院行く日」
…あ。
「…嘘、今日だったっけ?」
「嘘じゃねえ今日だ」
普通に忘れてた、
来太くんの目が怖い…。
さっと三影さんの後ろに隠れ、壁際に逃げる
「うおっ!…どうしたのみおさん?」
「すいません、来太くんの目が怖いんです…
…行かないと、ダメ?今日は心の準備が…」
顔だけを少し出してお願いしてみるけど
「アホか、行くに決まってんだろ?」
病院の事となると来太くんは鬼のようになる
「三影くん、みおが逃げないようにして?」
「はい?」
…なんで三影さんにそんなお願いするの!
絶対意味わかんないでしょ、
「病院の事となったらどんな手使ってでも逃げようとするからこの人」
余計なこと言うな。
「あぁ…なるほど…」
なんでそれで納得しちゃうの!?
とりあえず…逃げないと。
ドア目指して走ろうとすると
「はい捕まえた〜」