君の笑顔は、俺が絶対守るから。

小鳥がひとりだと心配で仕方ないから、ミーナと一緒にいるのが安心できて良いんだけど……。

やっぱり、ちょっと寂しい。


ひとりでしんみりしていると、ワッと歓声があがった。


「あ。高橋くんだよ、アズにゃん!」


言われてトラックに目をやれば、ちょうどピストルが鳴り、高橋くんが誰より先に飛び出したところだった。

さすがサッカー部エース。

ひとりだけ馬力の違うエンジンを積んでいるみたいにぐんぐん後ろを引き離していく。


「いけー! 高橋くーん!」


周りの歓声にまぎれて彼を応援した。

そして高橋くんは余裕の1位でゴールイン。

爽やかな笑顔を振りまき、女子の悲鳴を一身に浴びている。


「ひゃー。高橋くん、はっやいね!」

「うん。かっこよかったね、梓」

「そうだね! 一番輝いてたよね!」


よしよし、小鳥も高橋くんのかっこよさに気づいてきたみたい。
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