君の笑顔は、俺が絶対守るから。
目覚めが悪かったのかなと思いながら広い背中を追いかける。
「おはよう、佐倉さん!」
「おはよう、高橋くん。見たよ。彼女と一緒だったね?」
「あ、うん。あはは。見てた?」
ポッと頬を染めて、照れくさそうに笑う高橋くん。
幸せいっぱいといったその表情に、私も嬉しくなる。
「仲良いんね。羨ましいなぁ」
「佐倉さんのおかげだよ。あの時佐倉さんが傘を貸してくれたから、先輩と付き合えたんだから。本当に感謝してる」
「いやいや、そんな。たいしたことじゃないよ」
「先輩も、佐倉さんによろしくって言ってた。俺たちのキューピッドだからね、佐倉さんは」
そんなことを言われて、光栄なような、恐れ多いような。
恩人の役に立てたんだから、それだけで私にとっては充分だ。
そう言おうとしたけど、一ノ瀬くんがなぜか間に割りこんできて、不機嫌そうに私を背中へと押しやった。