君の笑顔は、俺が絶対守るから。



家から車を20分ほど走らせた閑静な住宅街の中に、京子さんのお宅はあった。

ネイビーの金属板と、木材が組み合わされたおしゃれな外観の二階建てのお家だ。

低い柵の向こう側に、綺麗に手入れをされた芝生の庭がある。


いいなあ、お庭。

うちはマンションだから、昔から庭が憧れだったんだよね。


広い屋根付きの駐車スペースがあり、白のセダンが一台停まっている。

その横にもう一台停められるスペースがあり、運転が得意じゃないお母さんは四苦八苦しながらバックで車を入れた。


「じゃ、行きましょうか」


そう。

今日はこれから、京子さんと息子さんに挨拶をしなくちゃいけない。

とうとうこの日が来てしまった。

覚悟したつもりだったけど、全然だめ。


「ああ~緊張する!」

「やあだ。梓ちゃんたらまだ言ってるの?」


お母さんにあきれられながら車を降りた時、広い庇の玄関からスラリとした長身の女性が出てきた。

京子さんだ。

長く真っすぐな黒髪を後ろでひとつにまとめ、細身のデニムに白いブラウスというシンプルな服装の京子さんは、まるでモデルのように姿勢よく歩いてきた。

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