ハニーレモンの太陽。
「……ふふっ」
「笑ってんなよー」
栗原くんは髪をクシャッとかきあげると、
スマホを机に伏せた。
「体調、良さそうだけど?」
「えっ?」
「体調不良とか、嘘なんじゃねえの」
「……本当だよ」
鋭い質問に、思わず顔を俯かせる。
「…ふうん。ま、どっちでもいいけど」
「……ベッド、借りるね」
「俺のじゃないけどね」
栗原くんから逃げるようにベッドに入り、カーテンを閉めた。
その途端フラッシュバックする、さっきの光景。
『悠陽くんと付き合ってんの?』
『あんたみたいな陰キャが容易く悠陽くんに近付いてんじゃねーよ』
『これ以上悠陽くんに近付いたら絶対許さないから』
なんで…なんで私がこんな目に。
私はただ、普通に仲良くしたいだけなのに。
『君は帰るの?』
『話したいな』
『俺は君に興味あるよ』
『俺が太陽なら君は月だね』
ハルくんは……本当に太陽みたい。
いつもキラキラしていて、私とは違くて。
でもだからこそ、ハルくんといれば、自分が少しだけ…ほんの少しだけでも、輝けるような気がした。
