5年前のセーラー服
「じゃー、さっきから下向いてる東山〜答えろー」

え?私?

どうしよう。全然わからない。

授業始まってることすら知らんかったし。

黒板を見ても何を聞いているのかすらわからない。

「すいません 聞いてませんでした…」

「全く、まぁ、そう思ったからあてたんだけどな」

「すいません…」

「じゃー、山野ならわかるだろー」

「答えは、○○○です」

「さすが、彼氏の方はしっかりしてるな」

クラスにどっと笑いが広がる。

私達はクラス、いや学校中の公認カレカノみたいなものだ。文化祭でもBestカップル賞って言う謎めいたやつに選ばれたし。

「東山も、そんなボケっとしてたら、彼氏に捨てられるぞー」

む、余計なお世話。

「じゃー、授業後半だし、約束してたみーんな楽しみの前の小テスト返すぞー」

え、なにそれぇ

クラスは「なにそれ聞いてなーい」とか、
「あの小テストやばいんですけどー」とか、言ってざわつく。

やってることすら知らないし。

そして、例のテストが私の手元にやってくる。

げ、なにこれ…

解答用紙には、赤く19点とかいてあった。

私、こんなに頭悪かったっけ?

「じゃー、20点未満のやつは放課後補習なー


ぇぇえ、それ、私じゃん。

周りの人は「え?このテストで20点未満とかいるの?」とか言ってる。

いますよ、いまーす。ここにいますよ。

補習のんびりやってるほど暇じゃないしー…



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