月夜の砂漠に一つ星煌めく
「通るだけです!」

いよいよ、女達の前に差し掛かった。

「きゃああああ!!」

女達の、黄色い声が耳に響く。

「ひぃいいい!」

白い腕が、俺の腕に絡み付く。

まるでゴーストに、誘い込まれているようだ。


「王子様!」

「私をお選び下さい!」

「いやあ!私よぉぉぉ!!」

女達の叫び声が聞きながら、廊下を曲がると、ハーキムは俺の腕を放した。

「如何ですか?」

「凄まじかった。」

「はははっ!皆、王子の子が欲しいと、思っていますからね。」


それを聞くと、俺は何もしていないのに、顔がやつれてきた気がした。

「ハーキム。」

「何でしょう。」

「王子、辞めたい……」

「ダメです!何を言ってるんですか!?これしきの事で!!」


体つきのいい女達を見て、鼻の下を伸ばしている、ハーキムとは違う!

そんな事を思いながら、一人自分の部屋にこもり、やっぱりネシャートに会いたくなる、俺だった。
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