月夜の砂漠に一つ星煌めく
「う、うん……アリア、舞踏団にいるって、言っただろ?」

「ええ。」

「有名な舞踏団が、そこにテント張ってるって、聞いたし。」

「なーんだ。そんなに私達って、有名?」

「かなり有名だよ。欧州一だって。」

「やだ。嬉しい!」

明るく笑うアリアを見ると、心が救われた。

そう言えば俺、悩みを忘れる為に、星の間に行ったんだけど、今の方が悩みを忘れている。

そんな事を思っているうちに、もうテントは見えてきた。

「ここでいいわ。」

「あっ、アリア!」

思わず、彼女を引き留めた。

「なに?」

「また、会えないかな。」

アリアは、目を丸くしている。

「いいわよ。気が向いたらね。」

「えっ……」

「じゃあね。今日は楽しかったわ。」

手を挙げながら、走って行くアリアを見て、やっぱり面白い子だなと思った。


帰り、西の敷地から王の間の、階段下に出るには、ネシャートの部屋の窓の下を通った。

何をしているのかな。

そう思うだけで、心が痛んだ。
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