月夜の砂漠に一つ星煌めく
次の日の夜。

俺は星の間で、アリアを待った。

でも2時間待っても、彼女は来なかった。

絨毯の上で、ゴロッと寝返りをうった。

「今日は来ないのかな……」

星が綺麗だと言うのに、そんな事はどうでもよくなった。


どうしようかな。

もう少し待とうかな。

それとも、アリアが来ないのなら、つまらないから帰ろうかな。

そんな事を、思っていた時だ。


タタタッと軽快に、階段を昇って来る音がした。

「ジャラール、お待たせ!」

息を切らして、駆け上がって来たのは、アリアだった。

「アリア!」

開けた扉を閉めて、アリアは絨毯の隅に、膝を着いた。

「遅かったじゃないか。」

「ごめんごめん。稽古が延びてさ。」

照れ笑いしながら、俺の横に寝そべるアリア。


昨日は“そんな事!責任取れるんだろうね!”って、怒っていたくせに。

一日でこんなに、態度が変わるのか?

「今日も、星が綺麗ね。」
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