月夜の砂漠に一つ星煌めく
俺はその時、生まれて初めてと言うくらいに、ネシャートを強く抱き締めた。

「ずっと、一緒にいるよ。」

「おにい?」

「ずっと、ネシャの側にいる。兄妹なんだ。誰も、私たちを引き離す事なんて、できるものか!」

強くネシャートを抱き締めて、泣きじゃくる彼女を、ずっと慰めていた。


「ネシャート王女!ネシャート王女!」

外で彼女を探す、女中の声がする。

「行った方がいい。」

俺は彼女の、背中を押した。

「でも!」

「これが、最後じゃない。また、いつでも会えるから。」

そう言い聞かせて、ネシャートを部屋の外に、連れ出した。


女中達は、ネシャートが見つかって、安心していた。

まだ子供のネシャートの手を引き、部屋へ戻って行く。

その様子を、ずっと部屋の中から、見ていた。

離れる事が嫌なのは、自分だけじゃない。

その不思議な安心感が、その時の俺を支えてくれていたんだ。
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