月夜の砂漠に一つ星煌めく
止まった場所は、森の中の森の中。

360度見回しても、木しかなかった。

「いい場所です。」

「どこが?」

全く分からない俺が尋ねると、ハーキムは1本の大きな木を指差した。

「周りより、大きな木がございます。そして、この周辺には、わずかでも広い場所がある。」

広い場所……?

よく見ると、大木の周りには、すぐに木は生えていないけれども、広い場所等とても言えたもんじゃない。

「今日は、ここで野宿しましょう。」

「野宿!?」

宮殿の中でしか寝た事がない俺は、その時奇声をあげてしまった。


「はははっ!ははははっ!!」

そんな俺を、ハーキムは笑いさった。

「怖いのですか?」

「怖くはないやい!」

「では、よろしい。」

そう言ってハーキムは、駱駝から降りた。


「さあ、あなたも降りて下さい。」

「あ、ああ……」

駱駝から降りると、ハーキムはその大木に、駱駝をくくりつけた。
< 17 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop