月夜の砂漠に一つ星煌めく
「大丈夫なのか?」

俺は前後左右、何度も何度も見た。

「大丈夫かどうかは、己次第でございます。」

息が詰まり、何も言えなくなった。

今まで、女中やお付きの者に、守られていた事を、思い出した。


「まずは、火を起こす為、薪を集めましょう。」

薪、薪?

俺はそこいら辺に落ちている、小枝を拾い集めた。

「小枝を集めるのは、重要な事です。が、基本ではありません。」

俺よりも2歳年上の、12歳だと言うのに、何だこの物知りの上の、落ち着き振りは!

俺はハーキムを観察しながら、もっと大きな木を、探した。

「ああ、ありました。」

俺よりも先に見つけたのは、ハーキム方だった。

「残りは落ち葉を、集めて下さい。」

俺にそう言って、ハーキムはその大きな木を、駱駝の近くまで運んだ。


おいおい。

俺一人で、落ち葉を集めろと言うのか?

冗談じゃないぞ。

俺は、この国の王子なんだぞ!
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