月夜の砂漠に一つ星煌めく
失敗した。

中に布を入れておけばよかった。

ゴツゴツして、眠るに眠れない。

遠くから、また野犬の遠吠えがするし。

薪のお陰で、顔は熱いのに、背中は寒いし。

最悪だ。


「眠れぬのですか?ジャラール様。」

「ああ。眠れぬ。」

わざとはっきり、言ってやった。

「眠れぬ時は、星を見上げるといいですよ。」

「星?」

ハーキムの言う通り、空を見上げると、満天の星空が目の前に広がった。


言葉がなかった。

あまりにも、綺麗過ぎて。

しばらく眺めていると、ハーキムが話しかけてきた。

「如何ですか?」

「ああ……綺麗だ。それにしても、いろんな星がある。」

「そうですね。一際明るい星。暗い星。小さな星。」

ハーキムの言う通り、星空はそれらが集まって、できているんだ。


「宮殿に戻りましたら、星の勉強を致しましょう。」

「星か。これを全て覚えるのは、大変だな。」
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