月夜の砂漠に一つ星煌めく
「これで、お分かり頂けましたね。」

「えっ?」

俺は顔を上げた。

「戦うと言う事が、如何に血生臭く、危険で恐ろしいモノだと言う事を……」

俺は、うんと頷いた。

「それが分かれば、今回の野宿は、成功でした。」

そう言うとハーキムは、荷物をまとめて、駱駝に乗せた。

「さあ、帰りましょう。」

「ああ。」

ハーキムの言う通り、荷物もまとめて、俺も駱駝に乗った。


元はと言えば、宮殿の脇の森の中なのだから、数百メートルしか離れておらず、俺は傷心のまま、宮殿に着いた。

塀の脇から入ると、そこは庭になっていて、色々な花が咲き乱れていた。

「あっ!お兄様!」

その花畑の中から、ネシャートが手を振っている。

いつもだったら、手も降り返せるが、今だけはネシャートと、顔を合わせたくない。

「お兄様?」

不思議に思ったネシャートは、どんどん、こちらに近づいてくる。
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