月夜の砂漠に一つ星煌めく
そんな時だ。

ネシャートが、私に水を浴びせてきた。

「うわっ!」

「あはははっ!おにい、ぼーっとしてた!」

急に水を被ったモノだから、鼻や耳に水が入ってきた。

「ジャ……」

慌てた女中など目に入らず、俺はネシャートとの遊びに、夢中になっていた。

「この~ネシャのいたずら好き!」

「あははは!」

ネシャートを追いかけ、後ろから抱き抱えると、元気のいい彼女は、俺の腕の中で、大いに暴れた。

「あっ!止めろってば、ネシャ!」

暴れるネシャートを、水の中に落とすまいと足を踏ん張ると、それがまずかったのか、俺とネシャートで、水の中に転んでしまった。


「ジャラール王子!」

「ネシャート王女!」

それぞれの女中が、水の中に屈んだ。

一番血相を変えていたのは、母上だった。

「ネシャート!ネシャート!!」

自ら水の中に顔を入れ、ネシャートを水の中から、抱えて救い出した。
< 5 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop