月夜の砂漠に一つ星煌めく
「ネシャート!ネシャート!!」

母上がネシャートを揺らす。

「……っ、ぅぅ……」

ネシャートが目を開けた。

「ネシャ!」

女中に起こされた俺は、ネシャートの側に、駆け寄った!

「うぁあああああん!」

元気に泣いたネシャートを抱き締めた母上は、俺をキツい目で睨んだ。

「もう二度と、ネシャートにこのような事をしたら、あなたを許しませんよ!」

「えっ……」

同じように水の中に転んで、ずぶ濡れになった俺には、大丈夫かの一言もなく、母上はネシャートを連れて、部屋の中に行ってしまった。


「ジャラール王子、お怪我はございませんか?」

「ううん。」

本当はこの時、腕を擦りむいていたのだけれども、母上に言われた言葉の方が痛くて、俺は何でもない振りをしていた。

この事は父上の耳にも入って、その夜は母上の部屋は、大変な騒ぎになったそうだ。
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