月夜の砂漠に一つ星煌めく
その事もあってか、しばらくは水遊びも禁止になって、暑い体を、女中が扇ぐ羽で、凌ぐしかなかった。

「なあ。ネシャは、元気なんだろうか。」

「はい。水遊びの一件以来も、お変わりはないと、伺っております。」

俺はよくネシャートと遊んでいた、木製の車輪を、手に取った。

転がして走っていた俺の後を、ネシャートが付いて来ていたっけ。

「ネシャ。もう一緒に、遊べないのかな。」

俺に兄弟は、一人しかいなかったから、ネシャートが女の子でも、一緒にいたかったのかもしれない。

いつもは王子なのだからと、どこに行くにも女中達と一緒だったけれど、ネシャートと遊んでいる時は、母上も側にいたから、家族と一緒の時間を過ごしているようで、とても安らげたんだ。


「あの、ジャラール王子。」

女中が、俺に話しかけた時だった。

庭の茂みの中から、何かが飛び出してきた。

「うわああ!」

「ジャラール王子!」
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