月夜の砂漠に一つ星煌めく
数人の女中が、俺に覆い被さった。

「何者じゃ!」

女中が叫んだ後、“えっ……”と言ったのを、俺は見逃さなかった。

そっと、女中の腕と腕の間から、その出て来たモノを見た。

「ネ、ネシャ!!」

驚いた事に、飛び出してきたのは、ネシャートだったんだ。

俺は女中の間をくぐり抜けて、ネシャートの元へ。


「ネシャ。母上は?」

「いない。」

「一人で来たのか?」

「うん。」

「どうして、そんな事!危ないじゃないか!」

「だって……おにいと、遊びたい。」


キョトンとしているネシャートは、ただ俺と一緒に遊びたいが為に、部屋を飛び出して来たと言うのだ。

「ああ!おにいの車!」

いつも一緒に遊んでいた、あの車輪を見つけたネシャートは、ここぞとばかりに手に持って、転がし始めた。

「おにい!どう!」

「あ、うん……」

「おにいも、やろうよ!」

無邪気に走り回るネシャートを見て、俺は後ろから抱き締めた。
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